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相続税の申告はしないといけないのか?
相続が発生してバタバタしていると、税務署から相続税についてのお尋ねが届くことがあります。
税務署は亡くなった人を把握しています。親族が亡くなったら死亡届を7日以内に市区町村役場に提出することになっていますが、亡くなった情報は税務署に通知されます。
相続税法58条
(市町村長等の通知)
第五八条 市町村長その他戸籍に関する事務をつかさどる者は、死亡又は失踪に関する届書を受理したときは、当該届書に記載された事項を、当該届書を受理した日の属する日の翌月末日までにその事務所の所在地の所轄税務署長に通知しなければならない。
その情報をもとに税務署は亡くなられた人に相続税についてのお尋ねを送付します。
相続税が0円の場合には、そのお尋ねについて相続税がかからないことを記載して送付すればいいのですが、相続税が0円の場合でも申告が必要になってくる場合があります。
相続税を申告しなくてもいいケース
相続税の申告は全員がしなければいけないというわけではありません。
相続税の課税財産が基礎控除以下であれば申告する必要はありません。
基礎控除額=3,000万円+(法定相続人の数×600万円)
基礎控除以下であれば、そもそも相続税は発生しませんので申告の必要はありませんが、税務署から届いた相続税についてのお尋ねは返信しておいた方がいいでしょう。
相続税がかかる人というのは、全国で約8%といわれているため、ほとんどの人がかかりません。ただ、平成27年の改正で基礎控除額が6割に下がったことから、改正前と比べると約2倍の人が相続税の申告をすることになりました。
相続税の申告をしないといけないケース
では、財産額が基礎控除を超えている人は相続税の申告をしないといけないのでしょうか。
相続財産が基礎控除を超えている人は相続税が発生しますので、相続税の申告書を提出する必要があります。
相続税の提出期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。申告書の提出期限と納税の期限は同じですので、10ヶ月以内に相続税の申告書と納税を行う必要があります。
10ヶ月あると思うと長く感じますが、相続財産を全て把握し、どの財産をどのように分けるのかという話し合いをして、遺産分割協議書という書類を作成し、相続財産を評価して相続税がいくらになるのかを計算するということまで考えると意外と時間は短いものです。
特に相続人が遠方にいる場合には、話し合いをする機会が少なくなってしまうので、それまでに相続財産の把握や財産額を知っておかなければ話し合うこともできません。
10ヶ月は長いと思っていても、税理士への相談は早いに越したことはありません。早く相談することによって、余裕を持って分割を決められますし、納税は原則現金一括でしなければならないので、資金の計画も立てることができます。
相続税の特例を使う人は申告しなくてもいい?
相続税の基礎控除を超えていたとしても、相続税にはいくつかの特例があります。
その特例を使うと相続税が0円になるという人も少なくありません。相続税の特例のうち、配偶者に対する特例(配偶者の税額軽減制度)や土地に対する特例(小規模宅地等の特例)などが利用されるケースが多いです。
配偶者控除は、1億6千万円か法定相続分のうち多い金額まで控除されるので、配偶者に相続税がかからなくなるケースも多いです。
ただ、配偶者の方の相続(二次相続)まで考えて財産を分けておかないと、次の相続の時には配偶者控除は使えませんので、相続税が多く発生してしまうことも考慮に入れておく必要があります。
配偶者控除と受けるための要件
1. 戸籍上の配偶者であること
2. 相続税の申告期限までに遺産分割が確定していること
3. 相続税の申告書を税務署に提出すること
小規模宅地等の特例は、自宅や事業に使ってた土地が最大80%減額されるというものです。相続する人など対象となる人や要件が決まっているので、特例を使えるかどうかも考えながら誰が相続するのかを決めていくのがいいでしょう。
小規模宅地等の特例を受ける要件としては、特例を使う土地ごとに要件がことなってきますが、共通している要件は相続税の申告書を税務署に提出することです。
相続税は申告しないといけない?【まとめ】
いくら相続税が0円になるからといって申告しないでもいいとは限りません。逆に申告しないと損してしまうことになりかねませんので注意が必要です。
相続税を計算するときに、財産額をそれぞれ評価して相続財産がいくらになるのかを把握するのですが、現金や預金などはすぐに分かるのですが、土地などはいくらになるのか分かりにくいケースも多いです。
自分たちで、そんなにいい土地でもないし相続税なんてどうせかからないという思い込みは危険です。
相続税の申告をしなかったら、無申告加算税や延滞税などが発生してしまいますので、最初から納める税金より多くなってしまうことになります。
相続税がかかるかどうか知りたい、相続税で使える特例を教えてほしい、どうやって分割したら相続税が低くなるのか知りたい、相続が初めてで不安という方はお気軽にお問い合わせください。
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