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名古屋相続税相談所

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相続の豆知識
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相続税

貸家建付地とは、自分の所有する建物を他人に貸している場合に、その建物が立っている土地のことをいいます。

賃貸アパートを所有している場合に、そのアパートを立てるために使っている土地が貸家建付地ということになります。

もちろん、貸している不動産は必ずしもアパートでなくても構いません。

一戸建ての所有建物を他人に貸しているという場合や、マンションの一室を所有していてそれを他人に貸しているという場合にも、それらの建物が建っている土地は貸家建付地となります。

以下では、貸家建付地の相続税評価額の計算方法について解説いたします。

相続に関わるのが初めてという方でも理解しやすいよう、具体例を用いて説明いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。

相続税評価の仕組み

この貸家建付地を所有している人が亡くなった場合には、その貸家建付地は遺族が遺産として所有権を引き継ぐこととなります。

日本の法律では、相続する遺産の金額が一定額を超える場合には、相続税を負担しなくてはなりません。

この時に問題となるのが「相続税評価額」という概念です。

相続税評価額とは、あくまでも「相続税を計算するときの財産の価値」のことをいいますから、実際にその財産がいくらで売買されているかということとは別問題となります。

貸家建付地はその他の財産(現預金など)と比べて相続税評価額が低くなる仕組みとなっています。

相続税対策の一環としてアパート投資などを選択する方が多いのには、貸家建付地の相続税評価額の仕組みが理由となっているのです。

貸家建付地の評価方法

相続の対象となる遺産に貸家建付地が含まれる場合には、以下の計算式によって相続税評価額を計算します。

貸家建付地の相続税評価額=①自用地評価額×(1−②借地権割合×③借家権割合×④賃貸割合)

計算式だけを見ると一見難しいようですが、上の①〜④それぞれの言葉の意味を正しく理解してしまえばそれほど難しいことではありません。

以下、①〜④それぞれの意味について、順番に見ていきましょう。

①自用地評価額とは

自用地評価額とは、その名の通り「土地を自分のために使う場合の相続税評価額」のことをいいます。

「土地を自分のために使う」とは、典型的には自分が住むための建物を立てるケースを言いますが、土地の上に何も立てずに放置するような場合も含まれます。

土地を自分のために使う場合の相続税評価額は、「路線価方式」という方法で計算を行うのが原則です。

路線価方式とは、国税庁が決めている土地それぞれの値段に、土地の広さ(地積)を掛け算して計算する方法で、計算式にすると以下のようになります。

自用地評価額(路線価方式で計算する場合)=路線価×地積

路線価の具体的な金額は国税庁のホームページで確認することができますから、所有土地の所在地住所を調べた上で確認するようにしましょう。

また、地積の正確な数字は毎年送られてくる固定資産税の通知書に記載されています(登記簿でも確認できます)

都市部の土地は路線価方式・地方の土地は倍率方式

なお、都市部にある土地の場合には国税庁が路線価という形で土地の値段を決めていますが、地方の土地の場合は路線価が設定されていないことが多いです。

(国税庁は国の組織ですので、地方の土地までは管理しておらず、地方の土地は各地の市町村が管理しているのです)

この場合の土地の評価額は、路線価ではなく固定資産税評価額によって計算しなくてはなりません。

このように、固定資産税評価額を使って土地の評価額を計算する方法を「倍率方式」と呼びます。

倍率方式の計算式は以下のようになります(計算式の「一定倍率」は宅地の場合は通常1.1倍です)

自用地評価額(倍率方式で計算する場合)=固定資産税評価額×1.1倍

固定資産税評価額も固定資産税の納付書で確認することができます。

②借地権割合とは

次に、②借地権割合の意味について確認しましょう。

借地権割合とは、土地が借地権の対象となった場合の価値を、所有権の対象である場合の土地の価値に対する割合として表した数値のことをいいます。

簡単に言えば、その土地が借地となっている場合には、その土地の評価額は「土地の価格×一定割合」という形で計算しますよということです。

このときの「一定割合」のことを借地権割合と呼び、これも路線価のある土地については路線価図に、路線価がなく固定資産税評価額で評価を行う場合には倍率表に記載されています。

路線価図を見ると、「300E」とか、「200E」とか言ったように、数字の横にアルファベットが振られていますが、これはそれぞれ以下のように借地権の割合のことを意味しています。

・A=借地権割合90%
・B=借地権割合80%
・C=借地権割合70%
・D=借地権割合60%
・E=借地権割合50%
・F=借地権割合40%
・G=借地権割合30%

例えば、「300E」というのは「この土地の路線価は1平米あたり300千円、借地権割合は50%です」ということを意味します。

③借家権割合とは

借家権割合とは、建物の所有者からその建物を借りる権利を経済的な価値で表した場合の割合のことをいいます。

借家権割合は全国一律で30%と決まっています(実際に建物のどれだけの割合を貸しているかに関わらず30%となります)

人に家を介している場合、その家を売ったり別の用途に使えるようにしたりといったことが難しくなりますから、その分だけ経済的な価値が下がります。

このような事情に考慮して、借家権が設定されている場合には、その割合の分だけ相続税の評価額を下げてもらえる仕組みとなっているのです。

④賃貸割合とは

賃貸割合とは、他人に建物を貸している場合に、建物全体の床面積に対する、実際に他人に貸し出されている部屋の床面積の割合のことをいいます。

計算式にすると以下のようになります。

賃貸割合=実際に貸している部屋の床面積÷建物全体の床面積

例えば、建物に4つの部屋があり、それぞれ150㎡の広さだったとします(合計で150㎡×4部屋=600㎡です)

建物の1室だけを他人に貸し付けている場合には、賃貸割合は1部屋150㎡÷4部屋600㎡=25%ということになります。

貸家建付地の相続税評価額(計算例)

ここまでみてきた内容を元に、貸家建付地の相続税評価額の計算をしてみてみましょう。

例として、遺産に含まれる貸家建付地が以下のようになっていたとします。

・路線価の表記:「50E」(1㎡につき50万円という意味です)
・地積:200㎡
・借地権割合:50%(路線価で「E」という表記があるため)
・借家権割合:30%(一律です)
・賃貸割合:75%(建物4部屋のうち1室が空室)

貸家建付地の相続税評価額を計算する式を再掲すると以下の通りです。

貸家建付地の相続税評価額=①自用地評価額×(1−②借地権割合×③借家権割合×④賃貸割合)

①自用地評価額を計算します

まず、①の自用地評価額を計算すると、以下のようになります。

①自用地評価額=路線価500,000円×地積200㎡=100,000,000円

②〜④の各種割合を元に貸家建付地の相続税評価額を算出します

自用地評価額がわかったら、各種の割合(②〜④)を計算式に当てはめて、貸家建付値の相続税評価額を計算します。

・①自用地評価額:100,000,000円
・②借地権割合:50%
・③借家権割合:30%
・④賃貸割合:75%

ですので、これを計算式に当てはめると以下のようになります。

貸家建付地の相続税評価額=100,000,000円×(1−50%×30%×75%)=100,000,000×88.75%=88,750,000円

このように、100,000,000の財産を現預金の形で持っている場合には遺産としての相続税評価額は100,000,000円ということになりますが、貸家建付地の形で財産が残されている場合には、その遺産は88,750,000円として評価されることになります。

遺産としての価値を1,000万円以上下げてもらえることになりますから、それだけ相続税の負担も小さくなるというわけです。

また、賃貸割合は高ければ高いほど貸家建付地と視点相続税評価額は下がりますから、賃貸アパートは可能な限り満室にしておく方が相続税の負担も小さくなると言えます。

貸家建付地としての相続税評価を認めてもらうための要件

相続
上で見たように、遺産を貸家建付地として認めてもらうことができれば、相続税の負担額が小さくなります(遺産の相続税評価額を下げてもらえます)

ただし、遺産を貸家建付地と認めてもらうためには、以下のような条件を満たさなくてはならない点に注意が必要です。

  • ①遺産である土地の上に建物が建てられていること
  • ②貸家の賃貸料が世間相場から見て妥当な金額であること

それぞれの内容について、順番に解説します。

①遺産である土地の上に建物が建てられていること

貸家建付地として認めもらうためには、相続が発生したタイミングで土地の上に賃貸用の建物が建っている必要があります。

建物は賃貸用の建物(他人に貸すもの)でなくてはなりませんから、土地を駐車場としている場合には、その土地は貸家建付地とはなりません。

ただし、土地の上に建っているのが賃貸物件で、その住人となる人が使うために駐車場が設置されているという場合には、その賃貸物件と駐車場を一つの物件とみなしてもらうことは可能です。

②貸家の賃貸料が世間相場から見て妥当な金額であること

貸家建付地の上に建っている建物の賃貸料は、世間相場並みでなくてはなりません。

親族に無償で貸しているような場合や、著しく安い金額で貸しているような場合には、貸家建付地と認めてもらえないケースもありますので、注意が必要です。

このように、遺産である土地を貸家建付地と認めてもらうためには要件があります。

遺産に含まれる土地が貸家建付地となるかどうかによって、相続税の負担額は大きく変わる可能性がありますから、要件を満たしているかどうか確認しておくようにしましょう。

まとめ

今回は、賃貸アパートの所有者が亡くなった際に問題となる「貸家建付地」の評価方法(相続税評価額の計算方法)について解説いたしました。

基本的な計算方法は本文で見た通りですが、実際に貸家建付地の相続税評価額を計算し、相続税の申告を行う際には税法に関する専門知識が必要となります。

相続税は、貸家建付地だけでなく、様々な規定やルールが複雑に絡んできますので相続に不慣れな税理士や実務経験の乏しい税理士が申告書を作成すると税額で損をする可能性があります。

相続税を申告する際には、相続税に強い税理士にご依頼ください。

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