対応エリア:
愛知岐阜三重

名古屋相続税相談所

エリア:
愛知岐阜三重

相続の豆知識
knowledge
相続

私たち個人に課される税金には様々なものがありますが、その中に所得税という税金があります。所得税とは、個人が1年間に得た所得に対して課税される税金で、それを10種類に区分し集計することで、その個人1年分の所得を計算します。そしてその所得に対して税率を乗じて税金を計算します。

ただ、人はいつか亡くなります。亡くなるタイミングは人それぞれで、例えば3月に亡くなる人もいれば10月に亡くなる人もいます。その場合の所得税の計算はどうなるのでしょうか。亡くなった方にも所得が発生していれば確定申告が必要となります。

亡くなった方の確定申告を準確定申告と言いますが、今回は準確定申告について、通常生きている方がする確定申告(以下「通常の確定申告」と言います。)と比較する形で解説していきます。

収入と所得の違い

まず、本題に入る前に「所得」と「収入」の違いについて説明していきたいと思います。そもそも「所得」とは収入金額から必要経費などを差し引いた儲けのことを指し、「収入」とは給与明細でいう各種控除前の総支給額や個人事業主でいう売上を指します。

所得税は「所得」に対して税率を乗じて計算しますので、基本的な税額の計算式は下記の通りとなります。

計算式:課税される所得金額×税率-控除額

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

※ 2013年1月1日から2037年12月31日までの25年間にわたり、基準所得税額の2.1%分の金額が復興特別所得税として課税されます。

所得の種類

所得税法では、個人が1年間で得た様々な収入を、10種類の所得区分に分けて、所得を計算し税額を計算していきます。具体的には下記の10種類となります。

  • 利子所得
  • 配当所得
  • 不動産所得
  • 事業所得
  • 給与所得
  • 退職所得
  • 山林所得
  • 譲渡所得
  • 一時所得
  • 雑所得

課税方式

所得税の課税方式は大きく分類すると下記の3パターンあります。

①総合課税方式
②申告分離課税方式
③源泉分離課税方式

総合課税制度

①総合課税方式ですが、これは下記②及び③以外の所得をすべて合算した上で、上記に示した税率テーブルを適用します。

つまり、給与所得や事業所得、一時所得などはすべて合算され、課税される所得が高額になればなるほど適用される税率が高くなることとなります。

これを累進課税方式と呼びます。この計算は準確定申告においても全く同じです。

申告分離課税制度

次に、②申告分離課税方式についてですが、例えば土地建物を譲渡した場合や退職金を受け取った場合が申告分離課税方式となります。

申告分離課税方式が適用される所得では、上記に示した税率テーブルとは別の税率が適用されます。例えば土地建物の長期譲渡の場合には、一律15.315%の税率が適用されます。

退職所得の場合には、退職所得のみで上記の税率テーブルを適用したりと、計算方法は各所得区分によって異なります。

源泉分離課税制度

最後に、③源泉分離課税方式についてですが、これは源泉徴収のみで課税関係が終了するものです。代表的なものは利子所得です。

普通預金を思い浮かべてください。普通預金に一定期間預けていると利子がもらえますが、利子は金融機関が事前に源泉税として20.315%の源泉徴収を実施しています。

金融機関は、源泉徴収した税金を皆様に代わって税務署へ納めています。ただ、この利子は確定申告をする際には何ら計算結果に影響を及ぼすことはありません。

従って、受取利子から20.315%(所得税15.315%+住民税5% )相当の源泉税を差し引かれて終わりです。確定申告の際に、計算結果に組み入れて源泉税を還付請求することもできません。

準確定申告をしなければならない人

基本的に準確定申告だからと言って特別な要件があるわけではありません。通常の確定申告の場合、給与所得者の方で勤務先が1箇所の方は基本的には勤務先がする年末調整で課税関係が終了するため、確定申告をする必要はありません。

死亡の場合には年の途中で死亡退職することとなりますが、年末調整の要件に合致すれば死亡時年末調整が行われますから、通常の確定申告と同じく勤務先がする年末調整で課税関係が終了するため、確定申告をする必要はありません。

ただ、亡くなる時期が年末とは限りませんので、そういった方は準確定申告をして所得税が還付される(納税する)ことになります。

なお、年末調整とは、勤務先が給与所得者のその年の所得税を正しく計算し、確定納付する仕組みです。従って、下記のような方は(準)確定申告をする必要はありません。

一.給与の年間収入金額が2000万円以下であり、年末調整をした方
二.給与収入がある方や退職金をもらった方、公的年金等収入(400万円以下)がある方で、他の所得が20万円以下の方

よって、年の途中で退職し再就職していないまま死亡したため、年末調整を受けられない方や、個人事業主や、不動産に関連する所得がある方などは確定申告をしなければなりません。

また所得が無くても、申告要件のある税制特例を受ける方や、初年度の住宅ローン控除を受ける方、医療費控除を適用し税額の還付を受けたい方なども確定申告をする必要があります。

手続きをする人

準確定申告は亡くなった方の申告です。通常は相続人の方が手続きを進めることとなります。

準確定申告書を提出する際に、「死亡した者の平成○○年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(兼相続人の代表者指定届出書)」という書類を添付し、連名で確定申告書を提出することになります。

営業収入や不動産賃貸収入がある方の確定申告

営業収入・不動産賃貸収入がある方は、過去に税金が発生している場合にはほとんどの場合で、準確定申告が必要となるでしょう。というのも、給与所得者の場合には死亡時に年末調整によって税金の精算が行われますが、個人事業主の場合には何ら手続きはされていないためです。

その場合の申告は、事業所得や不動産所得が中心の申告になります。またそれらに付随して、消費税の申告が必要になる場合もあります。

事業所得とは、製造業、卸小売業、医業、農林水産業、自由業などの事業から生まれる所得をいい、不動産所得は不動産等の貸付から生まれる所得をいいます。原則的な所得の計算方法は下記の通りとなります。

所得=総収入金額-必要経費の額

なお、事業所得や不動産所得を有する方は、税務署の承認を受けることにより最大65万円の青色申告特別控除を受けることができます。

所得控除

所得税では所得控除の制度を設けています。

主な所得控除の種類は、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、 地震保険料控除、寄附金控除、障害者控除、配偶者控除、扶養控除、基礎控除などです。

これらは、上記の所得から差し引くことができます。所得控除の適用可否の判定は、通常の確定申告では12月31日時点で判定するところ、準確定申告では死亡時の現況により判定します。

従って、死亡時に扶養親族がおり、控除対象扶養親族の要件を満たしているのであれば所得控除の対象にできますし、国民年金保険料を死亡時までに納付しているのであれば所得控除の対象とすることができます。

医療費控除の対象となる医療費や介護費用なども死亡時までに支払われているのであれば医療費控除の対象とすることができますが、死亡後に支払われたものは対象とすることができません。

申告及び納付期限

準確定申告書は、相続人が1月1日から死亡した日までに確定した所得金額及び税額を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をしなければなりません。

ただし、確定申告をしなければならない人が翌年の1月1日から確定申告期限(原則として翌年3月15日)までの間に確定申告書を提出しないで死亡した場合の期限は、前年分(生前年)、本年分(死亡した年分)とも相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。

納付方法は、通常の申告であれば税務署や金融機関の窓口で納付する方法の他、振替納税やクレジットカード納付・QRコード納付がありますが、準確定申告の場合には納付書による方法のみとなります。

なぜなら、準確定申告は相続人全員で行う手続きとされ、原則的には納税額をそれぞれの相続人が法定相続分に応じてそれぞれで納めることとなるためです。従って、納付書も複数枚記入します。

申告書の提出方法及び個人番号の取扱い

通常の確定申告では税務署の窓口に提出する方法の他、郵送提出やe-Taxによる提出も可能です。しかし、準確定申告の場合には税務署の窓口に提出するか、郵送による提出のみとなります。

e-Taxでは受け付けていないため注意が必要です。通常の確定申告書を提出する際は、個人番号の記載と本人確認書類の提示又は写しの添付が必要となりますが、これは準確定申告についても同じです。

なお、提出にあたっては全員分の個人番号を本人確認書類の提示または写しの添付が必要となりますので、特に相続人が多数ある方や遠方にお住いの方は法事など親族が集まるタイミングで効率よく資料収集できるように心がけましょう。

住民税との関係

準確定申告により確定した所得金額は住民税にどう影響するのでしょうか。

結論から言ってしまえば、全く影響ありません。住民税は、その年の1月1日に住民票がある自治体から、前年の1月1日~12月31日までの1年間の所得に対して課税されます。

従って、準確定申告により確定した所得をもとに計算される住民税は翌年に徴収されるものです。当然死亡していますから、課税されることはありません。

相続税との関係

準確定申告によって確定した税金は相続人が納付することとなりますが、これは相続税の債務控除として課税財産から控除することができます。

反対に還付が発生した場合には、未収入金として財産に含めて課税されますので、注意が必要です。また準確定申告を税理士等に依頼した場合の申告報酬は、相続税の債務控除の対象とすることはできませんので、間違えて控除対象にしないようにしましょう。

さいごに

準確定申告について、通常の確定申告と比較する形で見てきましたが、申告要不要の判定などは通常の確定申告とあまり差はありません。

しかし、相続人連名で申告する点や、被相続人が亡くなってから4か月以内を原則としているところが通常の申告と異なるため、準備する書類や押印も通常の申告よりも多くなります。

また死亡に伴って発生する手続きは、他にも様々で期限があるものも多いため、相続人間で協力して効率よく事を進めていく必要があります。

もし、準確定申告や相続税のことでお困りの方はお気軽にご相談ください。

お電話でのお問合わせ(平日9~18時)052-446-5985
無料相談会はこちら
上に戻る
ホーム